鷹の道

大学に通っています。中国政治・外交を勉強中。野球を見ます。ソフトバンクホークスを応援することかれこれ14年。

国際政治学の意味

思いつきでブログを開設したのが1か月前。ほぼ3日坊主でほったらかしにしてしまいました。はてなブログから「1か月ほったらかしにしてるけど、更新しないの?」と催促されたことで重い腰を上げてここに戻ってきた次第です。

今月来月の2か月は大学の授業がないので、腰を据えてたくさん本を読むことにしています。ここで読んだ本に関してウダウダ書きながら更新習慣をつけていきましょう。ここに書くということが読書のモチベーションになるかも知れないし。

 

 

というわけで一発目はこちら。

 

戦争の条件 (集英社新書)

戦争の条件 (集英社新書)

 

 

2時間で読める国際政治関係の本を大学図書館で探して出会いました。藤原帰一といえば言わずと知れた日本を代表する国際政治学者です。

 

入門書というか、学問としての国際政治学の考え方を誰でも分かる平易な言葉で説明している本です。

 

この「誰でも分かる」というのが国際政治においてはとても厄介です。著者も最後に書いているのですが、国際政治はかなり開かれた学問分野です。理科学系や経済学のような難しい数式は出てこないし、哲学や歴史学のような実生活からの「遠さ」もありません。毎日テレビでニュースを観たり新聞を読んだりするだけで国際時勢について知れます。そこで見聞きした情報に対して何か考えればそれだけで国際政治のフィールドに参入できるわけです。教科書を読んだり、学者の講義を聞くことは必要条件にならないんですね。特に最近はネット上で誰でも手軽に発言できるし、何なら学者と議論もできちゃうわけです。

 

一般人の見解と学者の思考が同列に並べられてしまう中、自分は何のために国際政治学をやっているのだろう、と疑問に思うことがしばしばあります。外交官や政治家と違って、学者は政策や国家の対外方針への関与が限られています。国際政治学者がただ「言いっ放し」のポジションであれば、それは最早一般人と同じじゃないのか……? 

 

 

この本はこんな僕の疑問に直接答えてくれるわけではないのですが、国際政治学の思考法・エッセンスが詰まっています。巷で目にする「こう考えれば、こうすれば万事解決!」というものは国際政治には決してありません。そんなものあれば国際政治学など必要ないのです。こちらが立てばあちらが立たぬ、といったジレンマの中、一つひとつの状況を丁寧に、多角的に観察した上で誰がどうするのが誰にとってベター(ベストではない)のかを考察するのが国際政治学の役割です。

これをやるには報道をザッピングするだけでは不十分で、ベースとなる考え方を得るために古典を読んだり、学者の見解を見聞したり、外国の方とコミュニケーションを取ったりといったことが必要になるのです。

 

一般人の見解はどうしても一面的になってしまうし、政治外交の現場で働く人たちはどうしても近視眼的になってしまう。そこで巨視的に、大局観を持って国際政治の流れを読むのが学者の立ち位置ではないでしょうか。

 

 

この『戦争の条件』も、書いてあること自体は「そりゃそうでしょ」ツッコみたくなるような常識に近いものですが、重要なのは結論ではなく(この本では結論も読者に委ねられていますが)、思考のプロセスや葛藤なのです。文中の議論を通じてこの「悩みの重要性」を改めて突き付けられた思いがします。

分野そのものが世俗化しているだけにいちいち悩みまくっていると何となくバカっぽく見えてしまうかも知れませんが、悩まず結論ありきで突っ込んでしまう方がバカなのです。

頑張って悩みます。